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環境と動物と人にやさしい畜産を目指して~サイボクファームがZERO PCを導入~

エシカルブログ

2022/7/26

環境と動物と人にやさしい畜産を目指して~サイボクファームがZERO PCを導入~

「牧場で使うパソコンをZERO PCに入れ替えたい」

今年の春、株式会社埼玉種畜牧場(サイボク)の方から嬉しいお問い合わせをいただきました。サイボクは環境やアニマルウェルフェアに高い意識を持って、養豚を営んでいます。一歩も二歩も先を行く、持続可能な畜産について、宮城県にあるサイボクファームの牧場長、菊田俊一郎さんにお話を伺うことができました。

■   夢は日本で一番SDGsに特化した牧場 

田中:今回は、ZERO PCをサイボクファームに導入いただき、誠にありがとうございました!なぜZERO PCを選んでいただいたのでしょうか?

菊田:ZERO PCを知ったきっかけは、弊社の代表取締役社長である笹﨑浩一が、ボーダレス・ジャパンの創業者様のTEDスピーチと本を読み、辿り着きました。ZERO PCのコンセプト、環境負荷削減と難民の雇用創出という志に、感銘を受けたことが一番の理由です。

笹﨑は、10代の頃から社会貢献に興味があり、個人的に活動をしていました。近年、会社の代表になったことで、個人ではなく経営を通じて環境問題や社会課題の役に立ちたいと考え、強い思いを持って、牧場のパソコンをZERO PCにすることを決めたのです。

田中:社長様が社会貢献に強い関心をお持ちなのですね。そういう方の会社にZERO PCを選んでいただけて、大変嬉しく思っております!
他にはどのような取り組みをされていますか?

菊田:体制が変わったことで、遅まきながらですが今年の4月からサイボクファームを含むグループ2社でSDGs推進室を新設しまして、笹﨑がリーダーとなって、若手と女性を中心としたチームを作り、活動を始めています。手始めとして、オーガニックバナナの茎の繊維を使用したフェアトレード認証のエコ用紙を使った名刺の作成にとりかかっています。

 

田中:ビジネスの入口になる名刺にも、エコな素材を取り入れているのですね!

 

菊田:笹﨑には、日本で一番SDGsに特化した牧場を作りたいという夢があります。社会貢献について、いつもアンテナを張っているので、いろいろな情報を見つけて、社員にシェアしてくれています。

それから今、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)にも力を入れています。決して散らかしているわけではないんですが、笹﨑の目で見ると農場にゴミがたくさん落ちていると…. 現在は毎月、場内と場外のゴミ拾いを実施しています。

 

田中:社長は厳しい方ですね。

 

菊田:厳しいと言うか、それが常識なのだと思います。昔は畜産業だから仕方ないという感じがありましたが、もっとキレイに整理整頓することで、作業効率も上がりますし、環境も良くなるし、仕事の時間も短くなるし、事故やケガの危険性もなくなるということで、今は時間を見つけては5S活動に取り組んで、見違えるようにキレイになってきています。

 

田中:本当に5S活動は重要ですよね。ZERO PCの工場も、道具の整理やオペレーションを改善したことで作業がスムーズになりましたし、スタッフの意識も変わってきました。

 

■   地域との共存をめざした牧場づくり

田中:では、牧場の環境づくりについては、どんなことに取り組んでいますか?

 

菊田:まず、ファーム全体のイメージづくりと臭気対策として、植樹をしています。外周は桜の木、その内側にイチョウの木ともみの木、あとは数種類の針葉樹ですね。
各豚舎でも臭気対策はしていますが、広葉樹は春から秋にかけて光合成などで臭いを和らげることができますし、風で流れる臭いを止める役割もあります。春は桜が満開になり、夏は新緑が美しく、秋は紅葉、冬は針葉樹の雪景色がキレイです。

 

田中:なるほど、周りの人にとっても気持ちのいいファームであることを意識されているのですね。

 

菊田:もともと人家が少ない地域でしたが、徐々に開発が進んでいて、敷地との境界線に民家もありますし、水田も隣接しています。また市街地まで1キロ以内の場所に牧場がありますので、ファーム全体に樹木を植樹して、周辺のみなさま方と共生できるような環境づくりに努めています。

 

■   完熟堆肥で理想的な循環農業

菊田:臭いの元となる家畜の糞尿についても、良質な堆肥づくりに生かしています。

 

田中:なるほど…ただ、動物性の堆肥は臭いが強いイメージがありますが…

 

菊田:たぶん、田中さんがイメージしているのは、完熟堆肥ではないものだと思います。うちが実際に出している堆肥は、手で触れますし、臭いもないです。

 

田中:え?臭いがないんですか?

 

菊田:はい、ないですよ。臭いがあるのは、途中で発酵が止まっているものです。発酵を上手にやっている完熟堆肥は、一切臭いがありません。

 

田中:それは知りませんでした!完熟堆肥はどのように作るのでしょうか?

 

菊田:生糞の水分を調整して水分量を下げて、1日に2~3回機械で攪拌して、空気を取り込みながら微生物の発酵を促します。徐々に発酵が進んで、完熟になるまで2~3ヶ月かかります。スペースも非常にとられますが、そうしないと完熟のサラサラした堆肥は作れません。

 

田中:完熟堆肥作りは時間や手間がかかりますが、農業にはメリットがありますか?

 

菊田:有機肥料は作物に必要な栄養分が入っていますし、微生物の力で栄養価の高い土壌に変えることができますし、作物の品質向上や増収にもつながります。一時期は化学肥料の方が安かったのですが、石油の高騰で価格差はなくなってきています。有機肥料が化学肥料に及ばない点は、肥料効果に即効性がないことぐらいですので、製造の段階でCO2を排出する化学肥料より、有機肥料の分量を増やしていく方が、環境にはやさしいと思います。

また、堆肥の発酵を上手くやって、臭いの発生を抑えつつ、周辺の農家さんに良質な堆肥を供給して、そこで生産した飼料米を会社として買い取って、それを豚の餌にして、またそれが堆肥となって循環していきます。

田中:本当に理想的な循環ですね!

 

■   水は「排出」ではなく「供給」するもの

菊田:水の処理も非常に重要で、国の排水基準にそって、魚が実際に住めるような水にしてから放流しています。下流には、実際にお米を作っている農家さんがいますので、作物の生産に役立つ水を「排水」するのではなく「供給」できるように、循環型を目指しています。

 

田中:排出ではなく供給という意識は、とても革新的ですね。

 

菊田:実は、畜舎と同じぐらいの面積の浄水施設があります。ファームの敷地の半分以上が浄水施設になっています。

■   大切なのは、豚の気持ちになること

田中:豚を育てる環境づくりや体調管理については、どのようなことを心がけていますか?

 

菊田:まず世界的な基準として、アニマルウェルフェア、動物愛護の基準がありますので、ストレスを与えない環境づくりを第一にしています。そして会社の方針として、私たち社員は「豚と同じ気持ちになって考えよう」「自分が豚と同じ環境にいたらどう思うか」をよく考えながら、管理にあたりなさいと常々言われています。

中でもキレイな餌、水、空気を与えることに重点を置いて管理をしています。寒暖差を最小限に抑えて、薬剤もなるべく使用しないように健康な状態で育てて、安全で美味しい豚肉を出荷するように心がけています。

 

田中:豚は繊細な動物だと聞きますが、環境の変化に敏感ですか?

 

菊田:寒さも暑さも、非常にストレスとして感じやすいです。どちらかと言うと暑い方が苦手ですので、常に新鮮な空気に入れ替える換気の管理技術が重要です。また、豚は非常に人に近い動物です。最近は、海外で豚の心臓を人に移植する取り組みもありますが、血液型も豚と人間は近く、インフルエンザなど共通の病気もありますので、管理する方も健康体でなくてはなりません。

 

田中:健康な豚を育てるには、スタッフの方の健康管理も重要なんですね。

 

■   餌は出来立てホカホカを農場へ 

菊田:自社工場で作った飼料は、出来立てをファームに配送して与えています。鮮度を大切にしていますので、餌タンクに入れて3日ぐらいで食べきるようにしています。大手さんは大量に餌を作れる反面、ストックしておいて一週間以上経ってからの配送になるので、うちは餌の新鮮さがまるっきり違います。

 

田中:それはだいぶ違いますね!新鮮な餌の方が豚も嬉しいですよね。

菊田:そうですね、人で言えば、炊き立てのご飯を毎日食べているような感じです。

 

田中:餌の配合は独自で開発されているのでしょうか?

 

菊田:サイボクゴールデンポークというオリジナルブランドの肉質を維持しつつ、美味しくするために、特殊な配合になっています。

 

田中:何が入っているか、伺ってもよろしいですか?

 

菊田:飼料用米と食品残渣を使ったエコフィード、それから主たるものはトウモロコシです。ただ、近年は穀物の供給が不安定になり、燃料の高騰によって2倍ぐらいの価格になっているので、その割合を減らすために、飼料用米とエコフィードを、肉質にいい影響が出る範囲で使っています。

 

田中:食品残渣とは、廃棄される食品のことですか?

 

菊田:そうですね、賞味期限が迫っていて廃棄される食品のことです。季節商品の廃棄が問題になることもありますが、例えば過去には、恵方巻や花見団子、クリスマスケーキのスポンジなどが大量に届いたこともありました。

 

田中:季節商品は絶対食べ切れないぐらいお店に並んでいますよね。なぜもっと計画的に作らないのか、本当に不思議です…。
いろいろな食品が届くと思いますが、どのように餌の原料になるのでしょうか?

 

菊田:豚にとって「良い飼料」を追求した結果、今は植物性の小麦由来の残渣だけを集めて、専用の工場で加工しています。食品を粉砕したものを大きなボイラーの中に入れて70度~80度で乾燥させて、サラサラにしたものを餌に配合しています。

 

田中:エコフィードを作るには、手間も費用がかかりますよね。お米やトウモロコシのように、穀物だけの方が簡単だと思いますが、食品残渣からエコフィードを作るのはなぜですか?

 

菊田:単純に考えれば、穀物だけの方が簡単に飼料を作れます。ただ、世の中を見渡した時に、日本は食糧の自給率が50%にも満たないのに、世界有数の廃棄国になっていますよね。そういう点で少しでも循環型にして、上手く利用できないかというのが一番の思いで始めました。

田中:何年前から取り組んでいますか?

菊田:エコフィードについては、15年ぐらい前に始めました。ほんとに食品が大量に捨てられて、社会問題になっていた頃です。

田中:あえて、費用はかかるけれども、食品廃棄の問題について何かできることはないかという思いで始められたのですね。
サイボクさんはこれまでも、社会にいいことに率先して取り組まれていますが、最後に、将来の展望についてはどのようにお考えでしょうか?

 

菊田:今一番うちのファームとして取り組んでいるのは、環境への負荷をかけないようにすること、良質な堆肥を還元して地域循環型の農業を構築すること、排水処理をキチンとすることです。今後も、畜産のイメージを変えることと環境との共生を最重視して、持続可能な畜産に取り組んでいきたいと思っています。

また、今世界各地で食糧難に苦しんでいる人たちが多くいますが、その人たちの分も豚に食べさせているのかという批判が出ないように、小さなことではありますが、飼料用米やエコフィードなど国産品を活用することで、輸入に頼らず、経営にも役立てていきたいと考えています。

 

田中:今は、どのぐらい国産でまかなえているのですか?

 

菊田:国産は大体3割、良くて4割ですね。今後は、国産のトウモロコシを作ろうということで、宮城県では米の生産からトウモロコシの生産に切り替えている農家さんもいます。最終的には8割、9割を国産でまかなえればいいなと考えています。

田中:大変勉強になるお話を本当にありがとうございました!ZERO PCも会社としてまだまだできることがあるなと、考えるきっかけをいただきました。

畜産業は環境面や動物愛護の観点から、批判される一面もあるかもしれませんが、人間の生活の中で非常に重要な産業であると思っています。持続可能性と地域との共生を大切にされているサイボクさんを、ZERO PCは応援しています!

▶もっとサイボクについて知りたい

公開日:

2022/7/26

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