homekeyboard_arrow_rightニュース

keyboard_arrow_rightkeyboard_arrow_right

コンゴ支援の現場から~紛争鉱物~便利な暮らしの背景にあるもの Part2

エシカルブログ

2021/5/11

コンゴ支援の現場から~紛争鉱物~便利な暮らしの背景にあるもの Part2

前回に続き、紛争鉱物をめぐる問題について、認定NPO法人テラ・ルネッサンスの小川さんに教えていただきます!

レアメタル採掘の現実

田中:実際に現地では、どのように鉱物が採掘されているんですか?

小川:いくつもバリューチェーンがありますが、タンタルを掘ってる人たちは若者や子どもといった、現地の最貧困層の人たちです。採掘の機械もないので、鉄の棒でコツコツと掘っています。鉱山は地元の自警団などが支配していて、採掘したものを個人のトレーダーが買い付け、そのトレーダーが地元の組織に転売して、そして外国から入ってきた人に密売して・・・というように、すごく不透明な部分が多いです。

田中:自警団や武装グループが関与していない鉱山はないんですか?例えば、国営企業など、仕組みがしっかりしている会社はありますか?

小川:首都のキンシャサには大きな国営企業がありますが、ここにも歴史的な支配の影響が残っています。コンゴは、ベルギーが植民地化する前、ベルギー王・レオポルド2世の私有地「コンゴ自由国」でした。他の国が、コンゴでいくらでも‟自由“にビジネスを展開することができたんです。

田中:コンゴ国民が自由という意味ではないんですね…。

小川:違いますね。あちこちにいろんな国の資本が入ってきて、鉱物を運ぶための鉄道などは整備されましたが、国の企業や学校、医療、インフラは作られませんでした。そして、国民のための整備は何もなされないまま独立したんです。

独立した後も、鉱山を管理する企業は、カナダやベルギーなどの外国資本に依存せざるをえませんでした。そんな中、当時のモブツ大統領は、コンゴでとれたものはコンゴ人の利益になるべきだと、鉱山の会社を国有化しました。でも、人も足りずに経営能力もなく、結局外国の企業に頼らざるをえなくなってしまった。大きな鉱山会社は、それなりに労働者を雇用していますが、賃金や雇用環境の問題はあります。

田中:大きな企業でも、決していい労働環境ではないんですね。個人で細々と採掘している人たちは、どのくらい収入を得ることができているんですか?

小川:仕事がない時は1ヶ月に数百円程度のこともあって、収入がいい時と平均しても、月に数千円程度です。

田中:そんなに少ないんですか!?

小川:そうです。鉄の棒でコツコツ掘って、それでも収入は少ないです。しかも、掘った人たちがトレーダーに売ったお金の半分は、税金と称して自警団に持っていかれます。

国際的な規制の限界

小川:紛争地域からとれた紛争鉱物を、先進国の企業が調達しないように、2010年にアメリカのドット・フランク法という法律ができました。鉱物を加工する企業は、「鉱物が紛争地域から調達したものではない」ということを証明しなければならない法律です。ですから2010年以降、コンゴの資源をウガンダやルワンダから買う欧米の企業はかなり減ってきています。一方で、中国の企業はそんなことは関係なく買い取っていますが…。

田中:でも、あれだけ流通ルートが不透明なものを、実際に規制することは可能なんですか?

小川:コンゴで採掘された鉱物資源の中で、ちゃんと不法に採掘されてないものにはタグをつけるというのが決まっています。タグがついてる鉱物資源は、武装勢力に資金が流れていないことを証明するもので、2010年以降はそういう取り組みも始まっているんです。でも結局、「タグビジネス」というのが出てきました。タグをお金で買い取るというビジネスで、結局、不法に採掘されたかどうかが分からなくなってしまうんです。

田中:なんでもビジネスになってしまう!やはり抜け穴がありますか…。

小川:現実的には、武装勢力に資金が流れていない鉱物だということを証明するのは、簡単なことではないです。最近は、マネーロンダリングという言葉を文字って、メタルロンダリングという言葉があります。中国や中東の組織が、ドバイやタイなどに不法に採掘した鉱物が運んで、そこでいろんな産地のものと混ぜてしまう。結局ロンダリングされる可能性があるんです。

だから、何が大事かと考えた時に、今まさにピープルポートさんがやってくれていることで、日本国内に眠っているいわゆる都市鉱山にあるものをリサイクルしていくのが、一番ある意味確実なんですよね。

田中:それは、すごく嬉しいお言葉です!!

小川:もちろん国際社会が枠組みを作った方がいいし、企業がきちんと責任を持つのは大事ですが、現場から見れば、なかなかそんなにキレイにトレーシングできることではないんです。だからこそ、国内にあるものをリサイクルしていく、そういう仕組みを作ることが大事だと思います。

田中:そうですね、使えるものはしっかりリサイクルしていく。

小川:日本国内にある金を、もしすべてリサイクルすることができたら、世界の金の埋蔵量の16%ぐらいになると言われています。タンタルやスズでも11%ぐらいのものが、日本国内の中に眠っていると言われているんです。

田中:そんなに大量に眠っているんですか!?具体的な数字は知りませんでした…。

小川:これはもちろん理想の話ですが、僕からすると、紛争地域でわざわざ資源を探すよりも、リサイクルに力を入れる企業がもっと増えてきた方が、実際の効果はあるんじゃないかと思いますね。

 

鉱物資源に頼らない暮らしへ

田中:ただ、現地の人にとって鉱物採掘が仕事になっているなら、リサイクル・リユースが、仕事を奪うことになるのではないかと考えたこともあります。

小川:それはとても大事なことです。単純にコンゴから鉱物の輸出を止めてしまえば問題が解決する訳ではなく、彼らに代わりの仕事を作ることが重要なんです。

田中:他に仕事があれば、鉱物を掘らなくていいですね。収入がいいから掘ってる訳ではなく、他に仕事がないからやっているんですもんね。

小川:そうです。僕らがやってるのは、カロンゲという村で、元少年兵や性暴力を受けている女性が仕事ができるように、洋裁の訓練をしたり、農業の支援をしたり、自分で手に職をつけて仕事ができるように支援することです。

小川:この子は僕らが洋裁の訓練をしていた17歳の女の子で、洋裁店で仕事を始めました。彼女が自立するまでは、夫が危険を冒して鉱山で仕事をするしかなかったんですが、彼女が収入を得られるようになったので、彼は去年鉱山の仕事を辞めて、運転手になるために免許をとる勉強をしています。

田中:お子さんもいて、素敵な笑顔ですね!

小川:僕らができてることは小さなことですけど、鉱山で働かなくても代わりの仕事を持てる状況を作らなければ、いくら外から紛争鉱物を買わないと言っても、何かしらのカタチで紛争は続いてしまうんです。

田中:武装勢力に加担しない!と言っていても、問題は何も解決されないんですね。

小川:子ども兵の話も同じです。コンゴの場合は、誘拐されて兵士にされることもありますが、自発的に軍に入る子も多いんですね。危険な軍に入った方が、今の生活よりもラクになるんじゃないかと期待して入隊するんです。貧困の状態がなければ、子どもたちが兵士にならなくてすむ状況を作れるんです。

田中:子どもには絶対に、兵士という選択肢があってはいけないと思います。他にも、収入減を得るための支援はありますか?

小川:今は養蜂ですね。養蜂の技術を教えて、はちみつを採取してパッケージ化して販売するという事業もやっています。あとは、家畜を飼育する技術を覚えてもらって、ヤギ2頭とモルモット5匹を供与して、それを増やしていって販売することもやっています。中央カサイ州のカナンガというところでは、パイナップルジュースや石鹸を作って販売して、収入につなげるようにしています。

あとは、自給食糧を確保するために共同農場で作物を作っていますが、最近は自分たちで農場を管理して、余剰作物を販売できるようにもなってきました。

田中:元々、東部の人たちは農業をやっていたんですか?

小川:はい、元々は農耕民なんですよ。コンゴの都市部を除いて、ほとんどの人たちは農耕民なので、農業の一定の技術は持ってますし、コンゴ東部は鉱物資源だけでなく自然環境も豊かで、森も土地も水も豊かなので、農業をするための環境は整っているし、基本的な農業技術はみなさん持っています。

ただ、例えばキャッサバの害虫を駆除するためにはどうしたらいいとか、機械農法的なことは知らないこともあるので、うちのスタッフがサポートしたりしています。

田中:今までは、恵まれた環境と技術を生かして、収入につなげることができてなかったんですね。

小川:カロンゲという地域には村がいくつもあります。僕たちが支援を始めた2007年ごろは、武装グループに村が襲われ、それに自警団が対抗して紛争が起き、村や作物がめちゃくちゃにされることが結構ありました。

外部からの食料援助はひとつのオプションなんですが、そもそも援助の量が足りてないのと、カロンゲ地域はすごくアクセスが悪いので、雨期になるとランドクルーザーのような車でも何度もスタックしてやっとたどり着くという状態です。南キブ州全体でいうと、65%の道路がほぼ使えない状態になって、中でもカロンゲは非常にアクセスが悪い。外から物資を持っていっても、なかなか継続的に支援ができなという問題があるんです。

田中:なるほど、支援を届けようにも、かなり条件が厳しいですね。

小川:届けるのが難しければ、この場所で作れるものを作ろうということで共同農場が始まりました。もしある村が襲われたら、共同農場から食糧を補填することができます。いろんなグループの人が集まって共同農場を運営して、幸い襲撃などの被害がなければ自分たちで分け合ったり、最近では余剰作物を販売することもできています。あとは、一次加工で粉末にする機械も導入したので、作物を加工して販売したり貯蓄したりしています。

田中:とてもいい考えですね!共同農場は、武装グループに襲われたりしてないですか?

小川:幸い今のところは大丈夫です。作物が盗まれることはありましたけど、ただリスクはゼロではないです。

 

コンゴ支援の可能性と未来

田中:支援を続ける中で、どんな変化がありましたか?

小川:平均して1ヶ月3000円~5000円の収入が得られるようになっているので、それはひとつの成果ですね。支援を受ける前は、1ヶ月数百円もないぐらい、ほとんど仕事がない状況でしたから。都市部のホテルやレストランで働いてる人の収入平均が3000円~5000円なので、都市部の水準に追いついてきました。まだまだめちゃくちゃ少ないですけど…。

田中:少ないですけど、かなり改善されているんですね。では今後、新しく始める事業はありますか?

小川:コロナの影響でロックダウンをかけたことで、ただでさえ脆弱な生活をしている人たちの生活がまったく成り立たなくなってしまいました。なので、コロナで生活ができなくなった紛争被害者の人たちを、改めて生計支援、食料確保の支援をやっていきたいです。

あとは、以前からやっていることですが、必要最低限の生活が送れる上で、その人の生きがいになるものを作る支援をやっていきたいと思っています。コンゴには紛争や貧困だけでなく、マラリアや下痢で亡くなる人もたくさんいます。マラリアだけでも年間45,000人が亡くなっていて、その多くは子どもたちです。いろんなリスクがある中で、どうやってしなやかに生きていけるか、過去に受けた心の傷や身体的な傷はたくさんあるので、それを取り除こうというアプローチではなく、昔も今も耐え難い困難があるけど、それでも何か生きがいを見つけたり、収入を得ることができるように、支援を続けていきたいと思います。

小川さん、現場の方ならではのお話、本当にありがとうございました!!仕事があって収入があることは自信にもなりますし、その先の可能性につながるので、テラ・ルネサンスさんの活動は本当に大切だと思いました。そして、ピープルポートが続けているパソコンのリサイクル事業の意義を、改めて気づかせてもらいました。無駄に廃棄されるパソコンが一台でも減るように、地道にできることを続けていきたいと思います。

 

★   NPO法人テラ・ルネッサンスさんの活動詳細はこちら!

https://www.terra-r.jp/activity.html

公開日:

2021/5/11

Live in 
Sustainbility

Live in Sustainbility

毎日使うものだから、サステナブルな選択を

毎日使うものだから、
サステナブルな選択を

あなたの選択が、未来を守ることにつながります。ZERO PCで未来に貢献しませんか?

NEW POST

Help!

パソコンの回収に
ご協力ください

パソコン回収について

keyboard_arrow_right

お問い合わせ

お問合せ、ご相談はこちら

local_phone

045-550-7344

(営業時間:平日10時〜17時)

LINEで無料相談

(営業時間:平日10時〜17時)

mail

メールでお問合せ

2営業日以内にご返信いたします