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AAR Japanの2021年 ~ミャンマーとアフガニスタンの支援を振り返る~

エシカルブログ

2022/1/14

AAR Japanの2021年 ~ミャンマーとアフガニスタンの支援を振り返る~

こんにちは!ピープル広報の田中です。本年もピープルポートとZERO PCをよろしくお願いします!

さて、私たちは2020年から、NPO応援企画「想うプロジェクト」を実施しています。今回、プロジェクトにご参加いただいている『AAR Japan 難民を助ける会』のミャンマーとアフガニスタンの支援事業について、お話を伺う機会をいただきました。

 ミャンマーでは2021年2月、クーデターにより軍事政権が復活。それに反発する民衆のデモが頻発し、政府による非人道的な制圧が続いています。アフガニスタンでは、2021年8月にタリバン政権が復活して以降、数十万人規模の国内避難民が発生し、極寒の中でテント生活を強いられています。厳しい状況が続く二つの国では、どのように支援活動に向き合っているのか、現状を教えていただきました。

20年以上続くミャンマーでの障がい者支援

ミャンマーでの支援事業は、障がい者のための職業訓練校から始まりました。2000年に開校し、今でもミャンマー国内唯一の民間が運営する障がい者のための職業訓練校です。理容美容、洋裁、パソコンのコースを提供し、利用者は3ヶ月半、寮に寝泊まりしながら技術を学びます。訓練校の先生のなかには卒業生もおり、同じように障がいのある身として、より生徒に寄り添った目線での授業を提供しています。卒業生は9割以上の就業率を誇り、企業への就職のほか、自身で美容院や洋裁の店を開くなど、自立した生活を送ることができています。また、ミャンマー国内では障がい者への支援が行き届いていないことから、知的・身体的障がいのある子どもたちの教育やリハビリ支援も行っています。

2017年からは、ミャンマー南東部にあるカレン州で、地域に根差したリハビリテーション(Community Based Rehabilitation:CBR)の活動を実施。障がい者の暮らしを地域で支える取り組みで、障がい者が日常生活で困難に感じていることなどを丁寧にヒアリングすることで、彼らのニーズや置かれている状況を正確に把握。地域の開発会議など公の場に障がい者も参加することで、それまで「障がい者=何もできない人」という誤解や偏見をなくし、障がい当事者自身も社会参加に積極性をもつようになりました。また、地域住民の障がい者への理解が深まり、適切な配慮をできるようになっただけでなく、学校や公共施設のバリアフリー化など、行政からのサポートも受けられるようになりました。

困難を極めるAAR Japanの支援

2021年、AAR Japanはミャンマーの緊急人道支援に取り組んできましたが、支援の道は一筋縄ではいきません。現地職員の安全確保のため、また中立の立場で支援するためには、「目立たない」活動が必要で、これまで築いてきたネットワークを頼りに、支援する人たちを慎重に判断しているそうです。安全で確実な支援を届けるためには、あらゆる方面に細心の注意を払わなければならない、緊急人道支援の難しさを教えていただきました。

【調べてみました~ミャンマーの現状~】
軍事クーデターにより混乱に陥ったミャンマーでは、国内避難民が23万4,600人にのぼり、銀行などの生活インフラが停止。軍事政権に反発するデモは現在も続いており、デモ隊に軍用車両が突っ込むなど、政府による強硬姿勢も変わっていない様子がメディアで取り上げられています。ミャンマー国軍が拘束していた市民を一部開放したとのニュースもありましたが、国際社会にアピールするための戦略ではないかとも言われています。また、一部の市民が暴徒化し、軍につながりのあると思われる市民を攻撃するなど、市民同士の争いにも飛び火してしまっている事件も散発しています。

ミャンマーでは2011年の政権交代以来、軍事政権時代に制限されていたインターネットや携帯の使用も自由になり、急速に民主化が進んでいました。自由な世界に慣れていた市民は、突如あらゆる生活面の制限を強いられ、いつ拘束されるか分からない状況が続いています。自由に外出できず、銀行の利用は制限され、燃料は71%も高騰。軍政に反対している家庭では、子どもを学校の通わせたがらず、教育面での混乱も懸念されています。

 

アフガニスタンの地雷対策活動

2001年にアフガニスタン事務所が設立されて以来、AAR Japanは20年に渡って地雷対策活動に取り組んでいます。特に子どもたちが地雷の被害に遭うことが多いため、「地雷回避教育」にも力を入れていて、ボードゲームやポスター、ラジオ放送等を使って、読み書きが不自由な子どもや大人にも、分かりやすく伝わる手法を心がけています。立入禁止のマークを教える、ボロボロの戦車がある場所には行かないなど、日常生活における具体的な回避策を伝えています。また、障がいのある子どもたちが適切な配慮を受けて教育を受けられるような支援も行っています。

地雷と終わりのない食糧難

2021年8月にタリバン政権が復活後、地雷除去活動は一時中断していましたが、9月には再開することができました。そもそもタリバンは、イスラム教の教えに反することから地雷の使用を禁止していたため、地雷対策活動に協力的でした。2021年6月、イスラム国によって地雷除去団体のメンバーが16人殺害されるという痛ましい事件が起きたのですが、その時に被害者を助けに駆けつけたのも、タリバンだったそうです。

タリバンの復権に関係なく、以前から、アフガニスタンの最も重大な課題は「食糧不足」です。内陸にあるために、頻繁に干ばつに襲われ、国民の半分は常に食糧不足の状態が続いています。AAR Japanは、アフガニスタン東部のラグマン県に住む180世帯に、小麦粉や油、豆、緑茶、毛布などの支援物資を届けました。

 アフガニスタンはもともと農業国で、過去にはぶどうなどの農産物を輸出していたこともあります。継続的な食糧確保のためには農業の復興が急務ですが、大麻栽培の懸念など課題が山積みです。国として農業を再興したいという思いはあるものの、タリバンが行政を担う能力が乏しいのも事実です。政府も国民も、何をどうしていいか分からない、アフガニスタンの未来は誰にも分からない・・・というのが現状だそうです。

【調べてみました~アフガニスタンにとってのタリバン~】
アフガニスタンは、パシュトゥン人、タジク人、ウズベク人、ハザラ人などからなる多民族国家です。1994年、内戦が続いていたアフガニスタンにタリバンが発足。パシュトゥン人の神学生からなる集団で、当時内戦で疲弊していたアフガニスタンを「世直ししたい」との思いから誕生しました。

2021年8月、再びタリバンが政権を掌握。アフガニスタン国内では、タリバンにしぶしぶ賛同する人、すごく嫌いな人が相半ばといったところですが、タリバン政権によって治安は明らかに良くなっていると言われています。政権が復活した当初こそ、国外退避を求める人で空港が溢れかえり混乱しましたが、その後、タリバンは大使館の現地職員などの出国を認めています。一方で、タリバンによる市民の迫害が起きているのも事実で、まだまだ予測不能な状況です。

 

今回は、国際的にも混乱が懸念されているミャンマーとアフガニスタンの支援活動について、貴重なお話を伺うことができました。本当にありがとうございました!!日本ではニュースで断片的にしか知ることができないので、現場を知っているからこその肌感覚を交えたお話は、大変勉強になりました。そして、政権に関係なく、「中立な立場で必要な支援を確実に届ける」というAAR Japanの信念を改めて知ることができ、心から共感するとともに、ピープルポートとしてできることをお手伝いしたい!という思いでいっぱいです。

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公開日:

2022/1/14

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